イチロー選手すら負の感情観察が苦手だった

インタビュー取材時の不機嫌

イチロー選手の取材嫌いは有名です。彼は取材時には意図的に不機嫌さを隠さないようにし記者からの無駄な質問を受けないようにしていました。彼は練習中常にそこに在り、無我夢中、集中のゾーンに入りこみ無我の境地に達していました。自分という存在との付き合い方においては完璧にいつでも無我に入る感覚を習得していたと感います。ですが対記者相手となるとそうはいきません、相手をコントロールするのは不可能だからです。ということでイチロー選手は取材時に湧き上がる負の感情の処理に困り果て意図的にピリピリさせるという方法をとったのです。

負の感情観察の絶好の機会

本当のことを言えば取材時の失礼な質問を受けた際の自身から湧いてくる負の感情、これを観察する絶好の機会だったのです。負の感情が湧いてきたならばそれを面白がって観察するのです、ムカつく、イラつく、誰もわかってくれない、、失礼な奴だ、、、これらの感情が湧いてきたらそれを楽しんでしまいます。こんな感情が自分から湧いてきたぞ、ここまで感情が湧くのか、、凄い感情だ、、、こう観察を続けることでそこに集中します。負の感情観察の驚くべきことはそれを集中して観察し始めると次第に感情が湧いてこなくなるということです。思考とは自我であり思考が湧いてこなければ自我が弱っていくのです。この自我こそが負の感情を湧かす張本人です。

負の感情は他人事のように楽しむ

人がイライラする姿を見てもそれほど深刻にならないのは他人だからです。なぜあんなにイライラしているのか?冷静にその人を観察できます。ですがなぜか自分ごとになると途端にそうならなくなります。イチロー選手のように自分に正直に向き合う人ほど自分から湧いてくるこの負の感情を無視できません、むしろしっかりとそれについて真剣に考えてきたはずです、ところが真剣に考えれば考えるほどに自我が強化されてさらに負の感情が湧き出すという恐ろしいメカニズムに飲まれてしまうのです。イチロー選手ほどの選手でも負の感情観察はできなかった証拠です。

相手の失礼な質問から湧いてくる負の感情を笑って観察する

すべらない話という人気番組がありますが、、あそこで繰り広げられていることこそ負の感情を笑って観察する行為の集大成です。自分から湧いてきた苛つき、むかつき、怒りを笑いに変えています。「お店で大変失礼な目に合い、、怒りで狂いそうになりました、、、」これを笑いながら解説しています。なぜ笑って話せるのか?負の感情を観察していたら面白くなってきた証拠です。そうです、これは誰でもできるのです。負の感情と真摯に向き合わなければならない、、、この強迫観念がそこからの思考フルスロットルに繋がっているのです。

(Visited 9 times, 1 visits today)