前野隆司

脳科学者の前野隆司さんは脳科学の観点から自我の不在を発見しました。自我とは左脳が作り出した捏造であるという発見です。当初はこれを錯覚と表現していましたが錯覚とは違ったように感じることであり、、自我とは存在しないのですから錯覚ではなく捏造であるということです。左脳は行動の前に思考を作り出すわけですが、、この動きは脳の運動野の動きの後に起こることに気づきました。本来は左脳の動きがあってその後に運動野の動きが起こり、その後に行動が起こるはずが、、運動野の動きが最初であるということです。つまり既に無意識化で動くことが決まっていてその後に思考が現れるのです。

覚者

覚者はそのことを既に分かっており、、全ての思考は自然現象的に現れるのだと説きます。体の動きも自然現象、思考の動きも自然現象ならば、、、そこにはそれをコントロールしているはずの自我は存在しません。このことに脳科学の実験から実証したのが前野隆二さんです。「スタバに行こう!!」という思考は「スタバに行く」という運動野の動きの後に起こるのですから、、この思考はやはり自然現象に近いのです。

エピソード記憶

脳にはエピソード記憶がありそのエピソード記憶によって左脳が作り出したストーリーが蓄積されていきます。このエピソード記憶から、、次に次に思考が現れては消えていき、、なぜそのような行動をしたかが書き換えられていくのです。私は今日これとあれとあのことをやった、、という思考はこのエピソード記憶から起こるのです。実際には全ては左脳が作り出した捏造であって、、そのような事実は一切起こってはいないのです。

事実

事実では、、主体が存在しない経験だけが起こっています。その経験が起こる前、起こった後に左脳から捏造された思考が起こり、、その思考のままに認識が起こる時、、、エピソードが追加されていくのです。このエピソードを真実であると捉える思考がさらに起こることで人間業界は成り立っています。その事実を受け入れた時湧いてくる思考を深刻に捉えなくなるという事実が起こるかもしれません。