海であることを忘れた波は恋愛が好き

恋愛はお互いを特別視する約束

恋愛とはお互いを特別視する約束です。海であることを忘れた波は自身を特別視してもらうことを願います。それは自身の存在がここに在ることを強く実感できるからです。世界中の中で自分を選んでもらったという感覚は自我にとっては最大級の自己肯定になります。なぜ絶対にあるはずの自己を改めて肯定してもらう必要があるのか?それは自己が偽り、嘘だからです。自己とはこれが私自身だと宣言するエネルギーでしかありません。分離とは全体から無理くり独立しようとするエネルギーの働きでしかないのです。ということでこの自己を世界中の中で最も価値があると異性に選んでもらうことに自我は興奮するのです。

自分を特別視してもらえなくと途端に不安になる

自我は自身を特別視してもらうことは大好きです。その瞬間自分が存在すると強く肯定できるからです。ですがこの恋愛の難しさは相手の興味関心が他人に移った時です、その瞬間自身を特別扱いされているという感覚が完璧に欠落します。自我は自身の存在を急に不安定なものに晒されていると恐怖を覚えます、少しでも雑に扱われている、甘く見られている、大切に扱われていないと判断するとその不安は相手への怒りに変異されます。相手を誠実な人間でないと非難の対象にすることで自我は逆に強固になっていくのです。自身の存在が危ぶまれると相手を非難することで自我は対立関係を作り出し自我の存続を図るのです。恋愛がなかなか上手くいかない理由はここにあります。

相手と一つになることは小さな悟り

恋愛を通じて分離した者同士が一つになったと感じることは実は小さな悟りでもあります。自身と対象が一つになった時自我は完全に消え去ります、この感覚は波が海になった感覚、人間が全存在になった感覚、分離が統合になった感覚です。豊かな恋愛は人間を悟りに誘う力を持っています。恋愛は海がこの波物語に作り出した分離統合のヒントです。ですが多くの場合この小さな悟りに自我はしがみつきこれすらも自我は自身の延命に使うのです。

(Visited 13 times, 1 visits today)